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延寿院お施餓鬼

7月会報巻頭文より

東京里山墓苑がある延寿院では、久し振りにご法事をしました。もともと法事が少ないお寺ではありますが、2ヶ月以上勤めていませんでした。お経とともにしとしとと降る音が耳に入ってきます。東京の梅雨は6月初旬から7月中旬のお盆まで続きます。お参りの方々には生憎の天候でしたが、数千年かそれ以上も続いている中国大陸からの雲の流れが変わってしまえば、大変なことになります。私のご法事の仕方は前に少し説明的な話しをし、後でも短い法話をすることにしています。その時、ウグイスが「ホーホケキョ」と谷渡りました。ときおり薄日がさす陽気に、新緑はとっくに過ぎましたが雨で緑が濃くなり、葉先からこぼれる雨水はより自然を豊かに見せてくれています。世の中は大変ですが、ウグイスは求愛し、自然は元気です。人間のみがむしろ困っているのではないでしょうか?行動が抑制され、その結果、空気はきれいになったのではないでしょうか?せっかく皆さんでお経を読んだのですから、視点を変えてみてはいかがでしょうか?今日、今だけでも仏さまの視点からものを見、考えてみましょう、と話しをしました。
 「送り火」の頃には、いつものようにセミが大合唱を始めることでしょう。まだまだこの状態に慣れることは容易でありませんが、自然に寄り添うようになさってみてください。
                   NPO法人 ロータスプロジェクト

                           代表 及川一晋